最近,街中の駐車場で「カーシェアリング」という文字を見かけるようになりましたが,このカーシェアリングとはどんなものなのでしょうか?
カーシェアリングとは,ひと言で言えば「自動車を複数の人が共同で利用するというクルマの新しい利用スタイル」のことです。「15分という短時間からの利用が可能な会員制のレンタカー」といえばもっとイメージしやすいかもしれません。クルマの1回の利用時間が短く,毎月数回程度の利用ならとても経済的なシステムです。
2009年ごろから,続々とカーシェアリングのサービスを提供する会社が増えていて,それにともなってカーシェアリングの会員数も急激に増えています。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の調査によると,車両ステーション数は9,451ヶ所(前年比25%増)、車両台数は16,418台(前年比33%増)、会員数は681,147人(前年比46%増)と、年々増加しています。また,マンションでのカーシェアサービスや高級車のカーシェアなどそのサービスも多様化しており,まだまだ成長が期待される今まさに大注目のサービスです。
※ちなみに,アメリカの市場調査会社Navigant Researchによると,世界全体のカーシェアリング会員数は2013年の230万人から大きく増加して,2020年までに1200万人以上に達すると予測されています。
カーシェアリングは登録した会員でクルマを共有して,乗りたいときにササッとネット予約してクルマが利用できるサービスです。
カーシェアリングで必要な費用は入会時の初期費用と,月々の利用に応じた使用料です。料金の中には保険代やガソリン代が含まれています。カーシェアリングなら,自家用車と比べると車両代はもちろんのこと駐車場代,車検代,税金,洗車代などもかかりません。「気軽に使えて,コストも安い」これがカーシェアリングの魅力です。
自家用車って,使っていない時間のほうが多いのではないかと思います。実際,自家用車の1日当たりの使用時間は1~2時間程度といわれています。そこでカーシェアリングでは会員同士でクルマを利用する時間をシェアするんですね。年間走行距離が8,000~9,000km以下ならマイカーよりカーシェアリングのほうが安いという統計結果もあります。
カーシェアリングは個人にとってのメリットだけでなく,社会全体にとってのメリットもあります。複数の人で車を所有(シェア)すれば,家庭で所有する車の台数が減ることになります。これが結果的にCO2の排出削減や渋滞の緩和,駐車場不足の解決,公共交通利用の促進などにつながると期待されています。カーシェアリングの利用スタイルは基本的に近距離移動で長距離を利用することは少ないので,電気自動車との相性がとてもいいとも言われているんです。電気自動車をカーシェアリング車両として配備しているステーションもあります。
車を借りるという点で一般的なのはレンタカーですが,カーシェアリングがレンタカーと大きく違うのは,車の利用者が決まっている,つまり会員制の車両利用サービスってことです。入会時に登録手続きすれば,その後は,車が空いていれば24時間いつでも利用できるのが便利です。
それに,カーシェアリングは15分とか30分といった短時間(使いたい時間だけ)での利用が可能です。そして保険料やガソリン代などを全く負担する必要がありません。ですから,レンタカーを利用したりや車を所有するよりぐっとコストを抑えられます。
⇒料金比較の詳細は,レンタカーとの比較ページへ。
カーシェアリングをちょっとした買い物とか,家族の送迎などに利用するだけでなく,ドライブに利用するという方も増えています。出張や営業用にカーシェアリングを採用する企業も増加していて,タクシー代やレンタカー代といった交通費・移動費の削減につながるというメリットもあります。また,被災地での住民の足としてカーシェアリングは貴重な役割を果たしています。
カーシェアリングを利用するためには,まずカーシェアリング会社の会員になりましょう。身近なところでカーシェアリングサービスを提供している会社がないか探してみることが第一歩です。