カーシェアリングとは,「自動車を複数の人が共同で利用するというクルマの新しい利用スタイル」のこと。言い換えると「15分という短時間からの利用が可能な会員制のレンタカー」というイメージです。
2009年からの4年間で国内のカーシェアリングのステーション数は約11.5倍,車両台数は約15.5倍,会員数は約26倍と拡大しています。
カーシェアリングとレンタカーとの主な違いをご紹介しましょう。
(⇒両者の料金比較をしてみました。詳細は,カーシェアとレンタカーの比較ページへ。)
カーシェアリングを利用するには,会員登録が必要。でもレンタカーが毎回手続きが必要なのに対して,カーシェアは一度登録すればいつでもネット予約して利用できるので煩わしさがありません。
レンタカーが最低6時間からの設定が多いのに対して,カーシェアリングは15分とか30分といった短時間から利用できて,15分刻みで使いたい時間だけ利用することが可能。それに長時間パックもあって,レンタカーと同等か,むしろ安い価格設定の場合も。
カーシェアリングでは基本的に使った都度の満タン返しや保険手続きが不要。カーシェアリングの料金には保険料やガソリン代が含まれています。ちなみにガソリンが少なくなった時は各車内の給油カードを使えばいいので心配無用。
レンタカーは営業所がオープンしている時間(だいたい8時~20時)しか貸し出しできませんが,カーシェア車両は無人のコインパーキングなどに置かれているので24時間いつでも利用が可能です。
レンタカーでは一つの営業所に豊富な車種を揃えていますが,カーシェアリングでは1つのステーションに1~3台程度が主流。どうしても車種が限られます。それに基本的に乗り捨ては出来ません。
ここは外せないというカーシェアリング会社4社をご紹介します。
この4社で業界シェア約90%を占めます。
サービス名 (企業名) |
特徴 |
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タイムズカープラス (タイムズ24㈱) |
・ダントツのシェアと人気を誇る業界最大手。 ・日本全国に展開していて旅行や出張でも使いやすい。 ・時間貸駐車場Times(タイムズ)を利用した立地の良さ,利便性に加え,シンプルな料金体系は利用者にとってもメリット大。 |
(カーシェアリングジャパン㈱) |
・首都圏に特化した地域密着型展開の業界第3位。 ・2017年から関西圏へも進出 ・利用スタイルに応じた豊富な料金プランや車種が魅力。 ・時間貸駐車場「三井のリパーク」でのステーション展開が加速 |
オリックスカーシェア (オリックス自動車㈱) |
・日本で最初に事業展開した信頼と実績のある業界2番手。 ・長時間パック料金がリーズナブル ・JR山手線全駅周辺にステーションを配置。 ・日産の新型車両「ノート」キャンペーンなど自動車メーカーとも連携。 ・「プライムステージプログラム」で利用額に応じた優待制度あり。 |
アース・カー (㈱アース・カー) |
・カーシェアリングの新形態で急成長中! ・車両の経年度に応じて細かな料金設定。 ・高級車(レクサスやベンツなど)やスポーツタイプ(ポルシェ,GT-R),オープンカー,SUVなど豊富な車種ラインナップが魅力。 |
カーシェアリング会社選びの最大のポイントは,自宅・職場から近いこと!使いたいときにすぐ使えることを考えると500m圏内にステーションがある会社を選びましょう。
1ヶ月あたりどのくらい利用するか,を想定して各社の料金を比較することが大切。単に利用回数だけでなく,1回あたりの利用時間や距離もイメージしておくといいですよ。長時間利用が多そうだなという方は,長時間パック料金のチェックも忘れずに。
各社お得な入会キャンペーンを展開しているのでうまく活用しましょう!特にWEB入会の場合に特典が手厚いことが多いです。
また,入会後の会員向けサービスもチェックしましょう。レジャー施設や飲食店の優待や,利用料金の割引キャンペーン,ポイント制度など充実してきています。
入会時に必要なのは,入会金(登録料)とICカード発行手数料など。
月々の利用料金は,月額基本料金と,利用に応じた時間料金と距離料金です。
⇒「コスト=基本料金+時間料金+距離料金」
なお,支払いはクレジットカード決済が基本で,1ヶ月分が翌月請求されます。
また,社会全体で考えると,複数人で車を所有(シェア)すれば,家庭で所有する車の台数が減ることになるので,結果的にCO2の排出削減や渋滞の緩和,駐車場不足の解決,公共交通利用の促進などにもつながります。渋滞することで人々が失う時間なんてほんとにもったいないですよね。
シェアしているからこそあるデメリットも知っておきましょう。使いたいときに他の会員が利用していると近場で借りられないとか,予定を変更してもっと長く利用したいと思っても次の予約が入っていると延長できないなど,自分の思うように使えない場合もあります。また,レンタカーと比べて車種も限られますし,旅行の時に重宝する乗り捨ても基本的にできません。
これまでになかった新しいクルマの利用スタイルであるカーシェアリング。カーシェアは被災地での住民の足として重要な役割を果たしたり,都市部の環境配慮型マンションのサービスとしても注目されています。また,短距離利用が多いカーシェアリングでは電気自動車との相性が良く,各地でEVカーシェアリングが広がりつつあります。課題である乗り捨てについても実証実験がおこなわれるなど,新たな展開も広がっています。